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花炭アートに取り組んで12年。
花炭(はなすみ)とは、木の実、果実などをそのままの形で炭化させて作る技法の一種で、遠く室町時代から500年の歴史を持つ。私の花炭作品は公園や山梨の森で採れた木の実や種などを用いており、山梨県笛吹市の岡部末治氏の炭焼窯で焼いてもらっている。
ところで、なぜ炭なのか?という質問をよく受けている。もともと大好きな黒を主体にした無機的な平面作品を制作していた。90年頃から徐々に自然や有機的なものを求めだし、イノチを感じる黒の世界を表現に移行。
そこで出会ったのが「花炭」。植物と火と人が育んだ森の花炭は循環する生命現象のひとつ。すべてのものに命が存在し、命は形を変えながら、ある意志を持って生き続けている。その秘めた生命力こそ私にとって美の源泉であり、その極致をカタチにしたいと臨んでいる。